リベンジコレクション
Step 3
クリーニング店から出たソウに着いて行くうちに、だんだんと人通りが多くなってきた。
まどかさんのお店は街中から少し離れた場所にあったが、また街中へと戻ってきたようだ。
クリーニング店の次はどこに向かっているのだろうか。
結局一円も払っていない私としては、助けてもらってばかりで申し訳ない気持ちである。
……私が奢りますよと言って、ランチにでも誘ってみようかな。
あつし君と待ち合わせをしたのは11時。
会って間もなく捨てられ、ソウに助けられ、とかなんとかしているうちに、もう2時間も経過している。
気持ちが落ち込んでいたときは空腹など感じる暇もなかったが、心も顔もすっきりすると、途端に気持ちが動いた。
要するに私はお腹が空きました……。
しかしこんな男前を、果たして平凡女の私が誘っていいものだろうか。
まどかさんも、ソウと私が二人でランチなんて嫌かもしれない。
そしてまどかさんのことを思い出して、なんとなく気持ちが落ち込む私は……最低だ。
自分勝手な感情がぐるぐると渦巻いている。
自己嫌悪から、私が小さく溜息をついた時だった。
「連れ回してごめんな? ほら、入って。暑かっただろ?」
いつの間にか俯いていた私は、ソウの声に慌てて顔を上げる。
「……えっ?」
目に映るのはさまざまなメンズファッション。
黒い柱を挟んで大きく広がったガラス張りのディスプレイには、シンプルな服に飾られたマネキンもいれば、ごちゃごちゃと賑やかな服に彩られたマネキンも立っている。