веst ー恋の詩ー


『うちも薄々思ってたけど……
無視するとか,そこまで仁奈が……』



愛美がうちを気遣って,最後まで言えなかった言葉がすぐにわかった。



仁奈も,すごく清水が“好き”なんだ。



うちが,清水を好きなように。





愛美の言葉に,なにも反応出来なかった。





そうだ,
清水を好きな人は,
うち以外にも,たくさんたくさん,いるんだ……


清水は,アイドルだもんね。



うちの通ってる学校以外の人の,うちも清水も全然知らない人が,清水の事が好きかもしれないんだよね。





「清水を好きな人って,たくさんいるんだろうね。清水,アイドルだもんね。」



『紗夢………』



「そんなの…仕方ない事だもん!」





清水はアイドル。
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