веst ー恋の詩ー
その人に気づくのは,
前触れもなく,
ただただいつもと変わらないある日だった。
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『滝川紗夢ちゃん,いるかな?』
お昼休み,12時55分過ぎ,クラスに可愛らしい声が響いた。
里沙ちゃんだ……………
「あっ!うちですけど………」
『ちょっといいかな??』
ちょっとって何ぃ!?
愛美と目を合わせた。
『とりあえず,行って来たら?紗夢!』
「うん。」
「いいよ。」