月と太陽の事件簿7/ブラームスの小径(こみち)
くだらないとは思うけど言われるとだんだん気になってくる。
あたしはあたりを見回した。
人通りはない。
しかも今日はパンツスーツだ。
あたしは石垣によじ登った。
立ち上がると当然、視界は高くなる。
あたしは小さい時、ジャングルジムに初めて登った時のことを思い出していた。
「レミ」
顔を向けるとそこには、したり顔の達郎がいた。
『面白いだろ?』
目がそう言っていた。
なんかくやしくなったあたしは
「はやく進みなさいよ」
と言って、その背中を小突いた。
「やめろ、落ちる」
おどけた仕草で達郎は言った。
「ワニに喰われたらどうすんだ」
「いっそ喰われちまえ」
あたしは冗談とも本気ともつかない口調で言ってやった。
「で、ここ通り抜けたら『しんたの家』に続くわけね」
そう訊くと達郎は地図を取り出した。
のぞきこむと、地図を見つめる達郎の顔はほころんでいた。
「なにニヤニヤしてるのよ」
「だってさ♪」
あたしはあたりを見回した。
人通りはない。
しかも今日はパンツスーツだ。
あたしは石垣によじ登った。
立ち上がると当然、視界は高くなる。
あたしは小さい時、ジャングルジムに初めて登った時のことを思い出していた。
「レミ」
顔を向けるとそこには、したり顔の達郎がいた。
『面白いだろ?』
目がそう言っていた。
なんかくやしくなったあたしは
「はやく進みなさいよ」
と言って、その背中を小突いた。
「やめろ、落ちる」
おどけた仕草で達郎は言った。
「ワニに喰われたらどうすんだ」
「いっそ喰われちまえ」
あたしは冗談とも本気ともつかない口調で言ってやった。
「で、ここ通り抜けたら『しんたの家』に続くわけね」
そう訊くと達郎は地図を取り出した。
のぞきこむと、地図を見つめる達郎の顔はほころんでいた。
「なにニヤニヤしてるのよ」
「だってさ♪」