月と太陽の事件簿7/ブラームスの小径(こみち)
虫かごに補虫網を持った子供たちが駆けていくところだった。
「それぐらいの歳の人たちにとっては、ああやってた頃の思い出ってのは、やっぱ大切なもんじゃないのかな」
オレにはまだ分からないけど。
達郎はそう付け加えた。
…そんなものだろうか。
いや、そんなものなのかもしれない。
あたりに響くセミの声に網を振り回す子供たちの歓声が混じる。
あの子たちもあと何十年かたった後、ふとした拍子で今日のことを思い出すのだろう。
遠くから、パトカーのサイレンが聞こえてきた。
『ブラームスの小径』
END
「それぐらいの歳の人たちにとっては、ああやってた頃の思い出ってのは、やっぱ大切なもんじゃないのかな」
オレにはまだ分からないけど。
達郎はそう付け加えた。
…そんなものだろうか。
いや、そんなものなのかもしれない。
あたりに響くセミの声に網を振り回す子供たちの歓声が混じる。
あの子たちもあと何十年かたった後、ふとした拍子で今日のことを思い出すのだろう。
遠くから、パトカーのサイレンが聞こえてきた。
『ブラームスの小径』
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