【短編】殺し屋シャイン、最後の任務
俺はその小瓶を開けられなかった。

死ぬのが怖かった。

何人にも殺してきた、冷酷な殺し屋が、

自分の死だけは怖いなんて、

馬鹿みたいだけど・・・。

「ほら、飲んでやるよ」

俺は決心して一気に飲んだ。

「・・・?」

「すり替えといたけど。

それ、ただの砂糖水・・・」

「あっまーーーーーーーーーーー!!

げっ。み、みずぅ・・・」

「殺し屋さんが何をいってんのよ。

そのくらいの痛みには耐えなさい。」

そうして、俺を部屋の中に引きずり込んだ。

「最近面白いコト全然無くて飽き飽きしてたの。

そろそろこのアパートも引き払うつもりだし、

オマエ、付いてこいよ。」

「はぁ??」

「雇ってやるよ。カネはやらねぇけど。

食べモンとか、住む家とか、

まあ現物支給ってことで、どうだ?」

「知るかよ」

女は銃を構えていた。

「従え!!」

「撃ちたゃ撃て」

「撃たねぇよ」

女は鍋で頭を叩いた。

「っ・・・」

「明日の朝出発。

組織とは縁を切りな。

オレ様があんたを幸せにしてやんよ。」
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