LAST ANGEL~君がくれたモノ~
過去編-出会い-
始まりのあの日
【日本国中央防衛本部にて-】
しんと静まり返った部屋の中、
一人の男が高級感の溢れる
革張りのイスにどっかりと座りこむ。
「はー…
今日も一日無駄につかれた…」
そう言うと男はおもむろに冷蔵庫をあけ、
キンキンに冷えたミネラルウォーターを
一気に飲み干した。
男の名前は沢田 慎茨。
一見何事にも気だるげで
軽いように見えるが
本心は常に見えない。
特徴は男性とは思えないほど
細くてサラッとした繊細な髪に、
頭の上部がふわっとしている
いわゆる天然パーマ、
それが不思議と美しい黒髪に
合っている。
鋭い瞳には少し影があり
男性らしい精悍でスッと整った
顔立ちが隊士たちから尊敬の念を
あびているのには本人も
気づいているのだか、
それともそんな事には興味がないのか…
現在の隊位は仮ではあるが
中央本部内 隊長である。
正式には隊長付き補佐なのだが…