LAST ANGEL~君がくれたモノ~
「無駄に広くてきれいすぎだよなー、
この部屋…」
慎時はそうぽつりとつぶやくと、
静寂が気に食わないのか
大音量にしてテレビをつけた。
〔-現在の速報です!
またもアルフェミア国が新しい領土を
広げました。
支配下に置かれたのは大韓民国で
戦いの要となったのはまたも、
あの『フライドダスト』です!
アルフェミア国最高の軍隊
フライトダストは今や億単位の
動員数となっており、
もはや日本国に攻め入るのも
時間の問題となってきている
ようです!!!!!]
「またこの話題かよ…」
慎茨がため息交じりにつぶやく。
嫌気がさしたのだろう。
だが、それもそうだ。
今や、テレビをつけると大体が
この話題でもちきりとなっており
日本国の防衛軍に所属している
慎弥にとってはみたくもない、
厳しい現実を目の当たりにするのが
毎日の憂鬱をさらに重くするものに
なってしまう。
「はあー…
どうにかならんかねえ…
アルフェミア…」
慎弥がそう言って、大音量のテレビを
消すとまた静寂が舞い戻ってきた。