芸能人に恋してる...

☆4♯

完全に誠に嫌われてから、私は本気で芸能界を夢みるようになった。

なんとなく、インターネットで近場にあるアマチュア劇団を探していたら
『全国アマチュア劇団一覧』
というサイトにたどり着いた。一覧といっても都道府県関係なくランダムに劇団の名前がただ載ってるサイトだった。適当に目を通し、適当にクリックをした。

『りっぷ』


『活動場所:××市周辺』

一瞬目を疑った。

『〇〇県××市』

「地元じゃん!」

適当にクリックしただけなのに地元にある劇団を当ててしまった。これは運命に違いないって思った。入るしかないって思った。
さっそく担当の人と連絡をとり見学に行くことを伝えた。まだ入るか分からないとは言ったけど、私は入る気満々だった。

凄く人見知り。友達作りが苦手で素の自分を出すのにかなり時間がかかる奴。なのに、かなり好奇心旺盛でいろんなことに一人で挑戦する。お母さん曰く、変わった性格の私。

「あんたに出来るの?」


『出来ないことなんて何もない。』

そして、16歳。また、新しいことに挑戦した。


運が良いのか悪いのか、その年はりっぷが出来て10年目だった。10月にある公演は『10周年記念公演』でみんな、かなり気合いが入っていた。そんな中、私はいきなり準主役に抜擢された。

嬉しかった。でも、戸惑った。65ページもある分厚い台本。台詞は覚えられるか、団長の期待に応えられるか、不安だらけだった。

途中、もうやりたくない、辞めたいって嘆いた時もあったけど自分で始めたことだから最後までやりとおそうって思った。それに、大事な役に穴を空ける訳にはいかなかった。
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