芸能人に恋してる...
17歳。
高校2年生。
女子高。
普通科。
名前−さや−

極々普通の女の子

よく聞かれること
−好きな人、いるの?−

答え
−いいえ。いません。
でも、いるかも−


なんなんだ、この回答は。

でも、本当に曖昧な答えなんだ。
だって、これは恋なのか、恋じゃないのか分からないんだから。

もし、これが恋だとしてもホントの恋かもしれないし、ニセモノの恋かもしれない。
どうしてこんなに複雑なんだろう。
ホントの恋だって認めたくないからかな?
自分でも、叶わないって心のどこかで思ってるからかな?












「あ−最悪。腫れ、引かないよぉ」
「どうしたの?」
「ちょっとねぇ。DVD見て泣いたんだ。」

うそ。
だって、裕くんのこと思って泣いたなんて言えないもん。
「あっそういえばさや−、裕のドラマの最終回みた?」
「見てないよ。」
「なんでよぉ。久々のドラマだよ。興味ないの?」
「うん。だって、女優さんと共演してるの見たくないし。」
「そっかぁ。
そういえば、駅前に出来たケーキ...」

興味ない訳ないじゃん。見たよ。でも、最終回と途中の1話だけね。確か、5話だった気がする。でも、それ見て病んだんだよねっ。なんか、切なくなって、逢いたくなって、「いっそのこと死にたい!」って思っちゃって。それから間空いて、CMを見た。CMぐらい大丈夫だと思ったのに裕くんの顔見た瞬間涙が溢れてきて、一晩中泣いた。自分でも馬鹿らしいって思ったのに、逢いたい気持ちはどうしようもなくて、涙が全然止まらなかった。

「ねぇ〜さやぁ。聞いてる?」
「えっ。あっうん。
そういえばさぁあゆみはどうなの?鈴木くんのこと。」
「えっ。あぁ、大好きだよ。でも、今は一般人の彼氏が欲しい。」
「えっ?なんで?大好きなのに?」
「うん。大好きなのに。でも、鈴木くんは結婚だから。ほら、鈴木くんって年下じゃん。あゆがいろんなこと教えてあげるの。だから、今は一般人でいい。最終的、鈴木くんはあゆと結婚するから今、鈴木くんに彼女がいてもなんとも思わない。」
「スゴいねぇ。私は無理。出来るなら今すぐにでも結婚したいよぉ。だって11歳離れてるんだよ。もう、おじさんだよ。」

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