愛詩 ―アイウタ―
揺れる心。
―神田竜が転校してきて一週間が経った。
「おはよう。 船曳さん!」
「・・・は・・はよ。」
あぁ~~~!!!
ダメだ!!!!
今の私全然かわいくないΣ
折角かんだ竜が私に挨拶したのに・・・。
・・あの日、麗那にあんなこと言われてから
まともに神田竜が見れない。
べっ・・!
別にすきでも何でもないからかわいくないとか
思われても全然平気だし!!!
って思ってもなかなかだめだ。
もう今自分が何を考えてるのか分からなくなる・・。
自分の中にいる2人に【蘭世】が私に呼びかけるんだ・・・。
1人の蘭世は
『ほら! 竜くんが挨拶してくれたよ!
またあのやさしい笑顔で!!! ちゃんと返さなくちゃ!』
って、神田竜が《好き》な蘭世。
もう一人は
『別に神田なんてどうでもいいっしょ?
よく見てみなよこのルックス! ダサすぎ!!!
こんなのに嫌われたって人生何もかわりはしないよ!』
って完全に神田竜を好きなことに《反対》な蘭世。
―私の本当に思っていることはどれなんだろう・・・。