さうす・りばてぃー
 それはさておき、俺は空いている時間で、さうす・りばてぃーの面々の発表も見て回った。

 達也のいるラグビー部なんかは、普段の試合の結果を発表してるだけで、特に面白くはなかった。

 星空や来夢さんのいるバスケ部なんかも同じだ。

 やはり運動部は、学園祭では一歩譲るものがある。

 ちなみに来夢さんは、三年生が引退し、最上級生になった今も、いまだにレギュラーにはなれていないらしい。

 勉強ができ、料理もでき、人柄も良好な来夢さんだが、運動神経だけは生まれつき備わっていないようだった。

 逆に光っていたのは、見由のいる文芸部だった。

 さすがに小説なんかは長くて展示できないので、詩や短歌が大きく張り出されている。

 その中に、見由の詩もあった。家族を思う詩だ。
 
 それは、技巧的には大したことはなかったけれども、心情に訴えてくるものがあった。

 この子の才能も、なかなか侮れないと思った。

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