さうす・りばてぃー
 さて。

 あとは、二人。

 というか、実質一人。星空次第だが。

 どうやら、まだ動いてはいないらしい。

 一つ、進行状況を聞きに行ってみるか。

 夜八時ごろ、星空の部屋の前に行き、チャイムを押す。

 ピンポーン。

 乾いた音が鳴り響いた。

「はい」
 星空の声がした。

「祐介でーす」
 とりあえず自己紹介。

「間に合ってます」
 がちゃん。

 インタホンが一方的に切られた。

 …………。

 ピンポンピンポンピンポンピンポン!

 ここぞとばかりにチャイムを連射する俺。

「はいはい、冗談よ」

 扉が内側から開き、俺を招き入れた。

 星空は、青のブルゾンにジャージという、部屋着姿だった。

「やあ、久しぶりだなハニー」
 笑顔で挨拶する俺。

「久しぶりね、ダーリン」

 星空はそう言ってにこっと笑ってから、普通の顔に戻る。

「――――で、コーヒーとココア、どっちがいい?」

「……コーヒー」

 俺のつまらない冗談は、軽く受け流された。

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