さうす・りばてぃー
「見込みはどうなんだ?」

 俺が聞くと、星空は弱りきった顔でこちらを見た。

 聞こえてるんじゃねえか。

「一応、24日に、会う約束はしてるんだけど」

「おお、イブにデートか。やったな」

「まだどうしていいのかわからなくて。ねえ祐介、その日穂波と一緒に来ない?」

「それはヤだ」俺はきっぱりと断言する。

「人の恋愛をからかうのは好きだが、人の恋愛の邪魔はしたくない」

 星空は不満げな表情を見せた。その顔に、指を向けてやる。

「だいたい、そんなことしても同じことの繰り返しになるだけだって、わかってんだろ」

「そりゃそうなんだけど……さ」

 星空はいじけながら、床に指で「の」の字を書いている。

 こういうところを見ると、一応こいつも女なんだなと思う。

「ま、そこまで段取りができてるんなら、パーティーの出欠は当日まで待ってやる。せいぜい頑張れよ」

 星空の肩をぽんと叩き、立ち上がる。

 何か言いたそうな星空だったが、俺はあえて聞かないことにした。

 これ以上何か言っても、彼女を惑わせるだけだろう。


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