さうす・りばてぃー
 やがて家についた俺は、着替えを済ませ、何をするでもなくぼーっとしていた。

 今頃達也たちはデートしているんだろうか、なんて考えてみる。

 集合は夕方五時になっていた。五時になったのを確かめてから、俺は見由の部屋に向かう。

 チャイムを押すと、見由はすぐに出てきた。

「ちょうど穂波さんも今来たとこですよ」

 中はステンドグラスが反射した色とりどりの光に照らされ、安っぽい教会のような雰囲気になっている。

 ここで一日を過ごすのは、さぞかし苦痛だったことだろう。見由の苦労が窺える。

 気のせいか、彼女の表情に多少疲れが見えた。

「とりあえず、夕飯買いに行こうぜ」

 俺たちは、夕飯の買出しに出かけた。

 せっかくだからチキンが食べたいと思ったが、ケンタッキーは人で満杯だった。

 仕方なく、ショッピングセンターの食料品売り場に向かう。
 
 ちょうどそこに、チキンの大売出しがあった。

 俺たちはそれをいくつか買いこんでから、帰路についた。


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