さうす・りばてぃー
「さて、お次は」
俺は指についた生クリームをなめながら、台所に行き、冷蔵庫を――。
「触る前に、ちゃんと手を洗ってくださいね」見由の声がする。
冷蔵庫を――――、開ける前に手を洗い、それから冷蔵庫を開けた。
そして、中から大きなビンを二本取り出す。
「よし、こいつで乾杯と行こうぜ」
俺が手にしているのは、シャンパンだった。
やっぱりクリスマスといえばこれだ。
俺たちがワイングラスにシャンパンを注ぎ終わったとき、また玄関のチャイムが鳴った。
見由が応対に出る。
「誰だ?」
「たぶん、達也」
星空が言う。俺は少し驚いた。
フラれたんじゃなかったのか。
確かに星空は、フラれたとは一言も言っていないが、彼女の態度は明らかにフラれたやつのそれだった。
そんな俺の表情に気づいたのか、星空が説明する。
「だって、ほら、私のせいで六人の仲が壊れるのなんて、嫌だからさ。必ず来いって、言っておいたの」
無理に笑顔を作って説明する星空。
そんな顔で言われたら、こちらはただ黙って歓迎するしかない。
やがて、星空の言葉どおり、見由が達也を連れて戻ってきた。
達也は達也で、ずいぶん複雑そうな表情をしている。
たぶん意識的にだろうが、星空とは目を合わさない。
「遅いぞ、達也。ケーキはもう売り切れだ」
開口一番、俺はそう言った。
「二つ残ってんじゃねえか」
テーブルの上を指差して、達也が言う。
「これは俺たちの二周目分だ」
「ゆうくん、子供みたいなこと言わないの」
穂波が呆れ顔で諭してくる。さっきの穂波のセリフとおあいこだと思うのだが。
「よし、とりあえず乾杯だ」
俺はそう言って達也にグラスを持たせ、シャンパンを注いでやる。
「かんぱーい!」
五人の声が揃った。
グラスのぶつかる音が響き渡り、シャンパンのしぶきが宙に舞った。
時刻はまだ八時半。夜は長い。楽しい夜は、まだまだ続きそうだった。
俺は指についた生クリームをなめながら、台所に行き、冷蔵庫を――。
「触る前に、ちゃんと手を洗ってくださいね」見由の声がする。
冷蔵庫を――――、開ける前に手を洗い、それから冷蔵庫を開けた。
そして、中から大きなビンを二本取り出す。
「よし、こいつで乾杯と行こうぜ」
俺が手にしているのは、シャンパンだった。
やっぱりクリスマスといえばこれだ。
俺たちがワイングラスにシャンパンを注ぎ終わったとき、また玄関のチャイムが鳴った。
見由が応対に出る。
「誰だ?」
「たぶん、達也」
星空が言う。俺は少し驚いた。
フラれたんじゃなかったのか。
確かに星空は、フラれたとは一言も言っていないが、彼女の態度は明らかにフラれたやつのそれだった。
そんな俺の表情に気づいたのか、星空が説明する。
「だって、ほら、私のせいで六人の仲が壊れるのなんて、嫌だからさ。必ず来いって、言っておいたの」
無理に笑顔を作って説明する星空。
そんな顔で言われたら、こちらはただ黙って歓迎するしかない。
やがて、星空の言葉どおり、見由が達也を連れて戻ってきた。
達也は達也で、ずいぶん複雑そうな表情をしている。
たぶん意識的にだろうが、星空とは目を合わさない。
「遅いぞ、達也。ケーキはもう売り切れだ」
開口一番、俺はそう言った。
「二つ残ってんじゃねえか」
テーブルの上を指差して、達也が言う。
「これは俺たちの二周目分だ」
「ゆうくん、子供みたいなこと言わないの」
穂波が呆れ顔で諭してくる。さっきの穂波のセリフとおあいこだと思うのだが。
「よし、とりあえず乾杯だ」
俺はそう言って達也にグラスを持たせ、シャンパンを注いでやる。
「かんぱーい!」
五人の声が揃った。
グラスのぶつかる音が響き渡り、シャンパンのしぶきが宙に舞った。
時刻はまだ八時半。夜は長い。楽しい夜は、まだまだ続きそうだった。