さうす・りばてぃー
第二話 ゴールデンウィーク
 俺が見由たちと知り合ってから、半月が過ぎた。

 クラス内にも、話をする仲間が何人かでき、学校生活にもだんだんなじめてきていた。

こうなると、休みが待ち遠しくなる。

 今週末からは、待ちに待ったゴールデンウィークだ。

 今年は29日が休みで、その後1日間平日になったあと、土日を含めて5連休だ。

 ちなみに週休二日制の恩恵をこうむっていない希望が丘学園においても、ゴールデンウィーク期間中だけは、土曜日も休みになっている。

 先生方の温情なのか、はたまた単に先生も休みたいだけなのか、その辺は定かではない。

 一説には、GWの土曜日も授業をすることに決めたところ、生徒やPTAから猛烈な抗議が来たので取りやめたという話もある。

 いずれにせよ、今年はなかなかの大型休みといえよう。

 しかし、今のところ俺には予定がなかった。

 今日も俺は授業が終わってから、相も変わらず、達也と学食でだべっている。

 放課後とはいえ土曜日なので、今はまだ昼である。

 ラグビー部は、今日は雨のため休みだった。

 美術部は雨が降ったからといって休みになどならないが、事実上の開店休業状態だ。

 知が主導で、とりあえず部を再開するところまではうまくいったようだが、そのあとは二人とも一度も活動していない。

 今日も知は、授業が終わるとさっさと家に帰ってしまった。

 彼は、サッカー部をはじめとする運動部から、たくさんの声がかかっていたが、あっさりと無視した。

 運動するつもりはまったくないらしい。

 それに引き換え、俺はといえば、星空から女子バスケ部の雑用係として勧誘されたにとどまった。
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