さうす・りばてぃー
「それにしても、思ったより部屋がきれいよね」
 星空は部屋中を見回して言った。

「頑張ったもんな」
 と、達也が横から口を挟む。

「頑張ったって、何を?」 知が聞いてくる。

「掃除。普段のこいつの部屋、ごみため同然だぜ」

「余計なこと言うなって」

 俺が言い、部屋の中は笑いに包まれた。


 三十分が経過した。徐々に赤くなってきている奴もいるが、まだそんなにたいした変化は見られない。
全員、食事が終わり、その右手は買ってきたスナック類へと移行しつつあった。

「ところで、みんな連休前半は何してたの?」
 星空が聞く。

「昼寝」

「テレビ」

 俺と知は、口々に言う。

「私は読書です」

「俺はゲームかな」

 最後は達也だった。あえて誰もそのゲームの中身にまで踏み込むことはしない。

「わりとみんな、普段と変わらないことしてたんだね」

「そういう星空は?」
 知が聞く。みんなの視線が、星空に集まった。

「私は、部活よ」

 話が続かない。シン、となった。まだ会ったばかりなので、話題が盛り上がらないのは仕方ないが、いきなり白けるのもなんだ。ここは、俺が特攻かけなければなるまい。

「つまんねーな」

 早速ツッこむ。

「なんかオチはないのか、オチは」

 星空に、ビール缶からはみ出す人差し指を向けて言う。

「オチつけてどうすんのよ」

「面白いじゃないか」

 俺は平然と言ったが、星空は「ふん」とでも言うような雰囲気で言い返してきた。

「祐介を面白がらせるために生きてるわけじゃないからね」

「あ、それは言える」

 知が言った。早くも、裏切り者一名。

「俺も同感だな」

 続いて達也も。裏切り者二名。

「やっぱり、俺の味方は見由だけかな」

 そう言って、俺は見由に熱い視線を送る。

「私も、どっちかとゆーと……」

 見由は眉を寄せて困っている。明らかに、裏切り者の顔だ。

「いいさ。俺は俺だけのために生きる」

「わ、すごい意見」

「ある意味悟ってるよな」

 みんなが口々に言う。どうも、俺はこいつらのおもちゃとして生かされているらしい。

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