さうす・りばてぃー
 でも、ひいき目なしで、このペアの料理が一番うまかった気がする。

 俺と星空の料理は、所詮初級者向けって感じだし、知と見由のペアは、そもそも料理ですらなかった。
 
 でも、見由もあれ以来反省しているらしく、そんなに辛い料理は作ってこない。

 もちろん、俺や達也がペアとして必死に止めているおかげでもあるのだが。

 とりあえず、食事事情は、自炊制を始めるようになってからずいぶん改善された。

 めんどくさいから食べないってことがなくなったし、なにより作っていて楽しい。
 
 そのとき、食事が到着し、俺たちは食べながら話すことにした。

「そういえば、もうすぐ期末テストだね」

 そばをすすりつつ、穂波が言った。

「いやなこと思い出させるなよ」

 俺は顔をしかめる。

 7月上旬には、もう期末試験が始まる。気づけば、あと一ヶ月をきっていた。

 こないだ中間テストがあったばかりだというのに、もう期末試験か。

「ふふ、でもそれがすめば夏休みじゃない」

「そうだな。今年の夏休みは何するかな」

「実家には帰らないの?」
 穂波が聞く。

「帰るけど、まあせいぜい一週間ってとこだな。帰ってもすることないしさ。穂波は?」

「私はこっちにいるつもり。見由ちゃんは?」

「私は、二週間ほど実家に帰ります。お盆と、その次の週くらいですね。あとは特に決まってないです」

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