君に許しのキスを
いや、違う。
考えなくても、誰かに問う必要もない。
俺は、本当は知っている。
この、俺の思いがどこから来ているのか。


この細く、小さい身体で、脆く繊細な精神で、ひたすらに友人を守ろうとする彼女を、俺が守ってやりたいと思う。

俺は愛しているんだ。
この少女を。
村西妃奈という人間を。

自分の立場も、彼女の立場も関係ない。
頭で考えるよりも先に、俺の中の、もっと単純で衝動的な何かが彼女を愛していると叫んでいる。


そして、分かっている。
それが世間では許されない気持ちだということも。
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