君に許しのキスを
「昨日は迷惑かけて申し訳ありませんでした。
けどもう帰ってください。
そこの男と一緒に。」


壁に身体を向けたまま、きっぱりとした強い口調で、彼女は続けた。



その態度に少し腹がたった。
しかしまた思い出した。
もう一人の少女の言っていたことを。

『凜は男嫌い』。


だからと言って。

「そういうのはないんじゃないか?
そこの男っつたって、仮にもあんたの先生だし。
俺だって、あんたのこと心配したし。」

と、言葉が口をついて出た。


あれ?俺、この子のこと、心配してたんだっけ。
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