君に許しのキスを
薄く筋肉のついた腕が、ゆっくりと伸びてくる。


そう思った瞬間、あたしはすでに、その腕の中にいた。


首に、肩に、彼の優しい息があたって、こそばゆい。
頬に、彼の髪があたって、ちくちくと痛む。
彼の熱が、直に伝わって、あたしの鼓動を、早める。



耳のすぐそばで、彼の声がする。



「守ってやる。」
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