君に許しのキスを
何となく、ベッドの方に向き直った。


『沓宮凜』という少女が、胎児のような格好になり、すやすやと寝息をたてている。


さっきやったように、頭に手をやり、小さく撫でる。


「この子もなんか、辛いことがあったんだよな。」
と誰に向けるでもなく、つぶやいた。

その瞬間、
「違っ…」
という悲鳴のような声が響いた。
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