君に許しのキスを
焦って声の方を見た。


震えている『村西』さんの肩を、周がなだめるように抱いている。

「あの…えと…」

と顔を強張らせながら、言葉を探す『村西』さんに、
「無理しなくて良い。」
と周が言い聞かせるようにして、優しく抱きしめる。



俺も焦って、
「ごめん、俺、何か変なこと、言った?」
と聞いた。



「大丈夫です。
そういうのじゃないんです。
大丈夫です…」

『村西』さんは慌てて否定して、平静を取り戻そうとしている。






突然、背後から声がした。


「…妃奈ちゃん?
…どうしたの…?」
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