君に許しのキスを
最初、妃奈ちゃんはあたしを抱きしめるだけで、何も語ろうとしなかった。

土屋周も、だ。



けれど倉嶋さんが二人に、『話してやったほうが良い』と言うと、話してくれた。

妃奈ちゃんは、少しの間黙っていたけど、小さく口を開いた。
あたしは先生が好きだ、って。
恋人になりたい、って。

あの男も、自分が絶対村西を守るとか、ほざいてた。


あたしはそれが、どうしても許せなくて、
「生徒に手を出すなんて、最低」だとか、「汚らわしい」だとか、
思いつく限りの言葉で、ふたりを罵った。
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