君に許しのキスを
「こんにちは。
あと、お疲れ様。」


そう言って、あたしに近づいて来るのは、あの日のあの男に、間違いなかった。


名前は確か、『倉嶋洋平』。
そう言ったはず。


「ここ、すげえ見られるからさ、歩きながら話でもしよう?」



周りを行く女の子たちを見回して、苦笑しながらそんなことを言う。
あたしはそれを無視して、校門からの帰り道を進んだ。
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