君に許しのキスを
彼女はぱちくりと目を見開き、俺の顔を凝視する。


「あんたん家。
送るよ。」



彼女は慌ててガードレールから飛び降り、言った。


「ウチ、お父さんもお母さんも、あたしの男嫌い知ってて、男の人と一緒にいると心配するから、いい。」


「そっか。
じゃあ、あともうひとつ、言い忘れたこと、ここで言っていい?」


また彼女は目をぱちくりさせる。


「クサいこと、言っていい?」


「やです。」



驚きを失った表情で、彼女は即座に言う。
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