君に許しのキスを
「あたしは、大丈夫。

言わないでって言われたけど、一回だけ、言わせて。

ごめんね、凜。
大切なこと、何一つ言えなくて。

だけど、凜は、あたしにとって、大切な大切な友達だから、
いつか、すべてを話せたら、って思う。

それで許してもらえるなんて思ってないけど、
あたしは、あたしの罪を、凜の側で償っていきたいと思ってる。

それを、許してくれる?」


言い終えて、自分の胸に手を置くと、
その奥が、奥かどうかもわからなくなるくらいに、激しく打っているのがわかる。


凜は少しの間、何も言わなかった。
あたしにはその時間が、何時間にも感じられた。
その間に、心臓が擦り減るんじゃないかと思った。
怖くて、あたしの前で組まれた彼の腕に触れた。


しばらくして、携帯の向こうから、しっかりとした強い声があたしの胸に届いた。

「うん。」
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