君に許しのキスを
神様。
もし本当にそんなのがいるんなら、どうか許してください。
妃奈ちゃんのこと。
あたしのこと。


あたしは妃奈ちゃんを、信じたいです。

ううん、信じます。

妃奈ちゃんの言う罪が、どんなものでも。

だからどうか、妃奈ちゃんの罪を許してください。


あたしも罪人だというなら、
もう決して、罪を犯したりしませんから。


だけど、神様。
あたしたちは、本当にそんなに罪深いんでしょうか?

あなたの許し無しには、生きられないほどに。


確かにあたしは、大切な友達も許せないくらい、弱いかもしれないけど。

それは罪深いことかもしれないけど。



あたしは信じたいです。
あなたの救いではなく、
人間を。
あたしの大切な人のことを。


だからあたしは、あなたに許しを請うのではなく、誓いたい。



あたしは信じます。
あたしの大切な人たちを。
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