君に許しのキスを
学校が見えてきて、それを通り過ぎると、人通りが、ぐんと少なくなった。
その中を、女子高生が二人、並んで歩いていた。


一人は、背は小さくて、髪は肩より下くらいのボブ。
もう一人は、もう少し背も高くて、髪も長い。


あの二人だと思った。
だけど、声をかけるのははばかられた。
学校のすぐそば、という場所柄、それに、彼女が俺の声に振り向くという確信が持てなかった。


だからさらに歩を早めた。

彼女たちの背中が近付くにつれ、ちらりと見える横顔は確かに彼女のもので、二人は笑いあっている。



仲直り、したんだ。
小学生みたいなことだけれど、そう思うと嬉しくなる。


そして、つい声をかけてしまった。


「クツミヤさん。」
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