君に許しのキスを
「意外。」

俺は素直にそう言った。
彼女は不思議そうに目を見開き、頭を少し傾けてをしてみせる。
『何が?』と問いただした気だ。


「そうやって、礼言うの。
特に、俺に。」

そう言うと、彼女は少し顔を赤らめて、バツが悪そうに言う。

「信じてみようと、思ったんです。
そう思えたのは、あなたのおかげでもあるから。」


『信じる』。
俺がこの間言ったことか。

あんなクサイこと、やってくれているのか。


そう思うと、胸の中が温かくなる。



「クツミヤさん。」

「はい。」




「好きだよ。」
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