君に許しのキスを

―side凜

「…え?」


今、『好き』って言った?
あたしのことを?
なんで?


意味がわからなくて、呆然としてしまう。

あたしの意識を引き戻すように、制服の左腕の裾を引っ張られた。
そちらを向くと、妃奈ちゃんだ。


妃奈ちゃんは彼の方を向き、あたしの代わりに聞く。

「あの、それってどういう…?」


すると彼は、我に返ったように目を瞬いてから、豪快に笑って言った。

「ごめんな、急に変なこと言って。
ただ、沓宮さんのそういうところ、良いなと思って。」


ますます意味がわからない。

顔が熱い。

心臓が、落ち着かない。



だけど、彼から目を離せない。
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