君に許しのキスを
「申し訳ないけど、生徒1人に、そんなえこひいきみたいな真似、出来るわけないだろう?」

その言いぐさに、何だか物凄く腹がたった。


「あの子、ちょっと色々あって、男性恐怖症なんです。」


ちょっと声を荒げてしまった。
呼吸を落ち着けて、もう一度冷静に。


「えこひいきしろとは言ってません。
むしろ逆です。
気にしないであげて欲しいんです。」


先生は小さく笑いだした。

あたしはその態度に、また少しムカついた。
馬鹿にされているようにみえたから。
その苛立ちに任せ、ペコリと一礼だけして、そのまま教室へ向かった。
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