君に許しのキスを
彼の顔が、霞むくらいに近づき、
唇に柔らかなものが触れた。


その瞬間、
胃の奥が熱くなり、
近くにいる男を、突き飛ばした。


知らない誰かが、
笑っている。

息苦しい。

頭がガンガンと響くように痛む。

立っていられない。


その時、驚いたような、焦ったような表情をした男の人が見えた気がした。



…助けて…。

…助けて。
倉嶋さん。

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