君に許しのキスを

―side凜

涙ながらに話をする妃奈ちゃんをぼんやり見ていると、ふと記憶の中の誰かと被る気がした。

怒った顔の女の子。

あれは、誰だったかな。




最初に浮かんだのは、小学生の頃、仲良しだった女の子。
名前は確か、“あゆちゃん”。


だけど5年生のある日突然、
“あゆちゃん”や“りこちゃん”たちから避けられるようになった。
というか、
あたしはその“あゆちゃん”たちのグループから、弾かれたらしい。



その理由は、噂のような形で聞いたところによると、
不特定多数の男子や先生たちに媚びを売っているから、という、あたしには全く身に覚えがないものだった。


何故あたしがこんな目にあわなければいけないのか、訳がわからなくて、
学校に行かない日も少なくなかった。




そんなある日、あたしはお母さんに連れられて、舞台を見に行った。
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