君に許しのキスを
直接、面と向かって、
「あんたなんか大っ嫌い!」
そう泣き叫ばれたこともあった。


悲しかったけれど、
嫌がらせをするあゆちゃんなんか、あたしだって大嫌い、
そう思って諦めることにした。

そうして劇団のレッスンばかりにのめり込み、あゆちゃんとは和解できないまま、小学校を卒業した。


中学に上がると、そこの演劇部にも入った。
そこで、村西妃奈ちゃんと知り合った。



背が高くて、スタイルが良くて、控え目で優しい、
同じクラスの女の子。


身長も低くて、いつも自分のことばかりのあたしとは、正反対の女の子。

あたしの憧れだった。
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