君に許しのキスを
後は何が起こっているのかわからないまま、
ただただ怖かった。
痛くて、苦しかった。



いつの間にか、あたしは気を失っていた。
目覚めた時には、病院のベッドの上だった。


しばらくは何も考えられなかった。
けれど、時間が経つうちに、学校に行きたいと思うようになった。


大好きな妃奈ちゃんに会えば、
演劇部に戻れば、
これまで通りのあたしに戻れるんじゃないかと思って。



通学路を歩くことは出来なくて、お母さんとタクシーで学校まで行った。

それでもなぜだか、教室に入るのが怖くて保健室に通った。


妃奈ちゃんは、そんなあたしのところに来てくれた。
それまでと変わらない態度で。
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