君に許しのキスを
「…大丈夫です…」

顔はさらに青くなっているようだ。

「そうか。」

とりあえず俺は放っておくことにした。
まあ別に、大丈夫だといっている生徒に必要以上に関わる義務はない。
当のクツミヤも何事もなかったかのようにチョークを持ち、黒板に答えを書き始める。


そこに書き出された答えはすべて、正答だ。
しかも非の打ち所のない、完璧な、模範的なもの。
ふん、勉強は出来るのか。
何というべきか、ますます変な奴であることは間違いない。


書き終えるとあいつはそそくさと席へ戻っていった。
「よし。クツミヤ、模範的な解答だな。」


俺はまた、その問題の解説と、次のページの説明を始めた。


ふとクツミヤをみると、窓の外をぼんやりと眺めていた。



授業、いつも聞いてないのか?
それでこんだけ完璧に解答出来んのか。
結構難しいの、やっているんだが。
…本当に変な奴。
というか天才か?
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