君に許しのキスを
第3章─変─
─side凜
妃奈ちゃんは、今日も変だ。
中学の時の話を何度も、さりげなく、聞いてみているのに、絶対に、話をそらして答えない。
そんなあたしたちの会話は、主に放課後、妃奈ちゃんが一人暮らしをするこの部屋で行われる。
こんなふうに、今日も。
「今日さ、数学当たっちゃって。
もう、ちょーーーーーう、サイアクだったんだよねー。」
「でも凜、数学得意でしょ?」
あたしはついつい、また聞いてしまう。
「あたし、中学の時、数学得意だったの?」って。
すると妃奈ちゃんは、一瞬ビクッ、と怯えたような、苦しそうな表情を浮かべる。
いつものように。
中学の時の話を何度も、さりげなく、聞いてみているのに、絶対に、話をそらして答えない。
そんなあたしたちの会話は、主に放課後、妃奈ちゃんが一人暮らしをするこの部屋で行われる。
こんなふうに、今日も。
「今日さ、数学当たっちゃって。
もう、ちょーーーーーう、サイアクだったんだよねー。」
「でも凜、数学得意でしょ?」
あたしはついつい、また聞いてしまう。
「あたし、中学の時、数学得意だったの?」って。
すると妃奈ちゃんは、一瞬ビクッ、と怯えたような、苦しそうな表情を浮かべる。
いつものように。