君に許しのキスを
彼女の過去を知ってしまった。
兄のことを言ってしまった。
兄貴の変化に気付かず、馬鹿みたいにただ兄貴を尊敬していた俺が、彼女に何をしてやれると言うのか。
してあげられるどころか、彼女に合わせる顔もない。
彼女は、兄貴のことは俺自身や、彼女のこととは関係ないと言っていた。
懸命に、自分に言い聞かせるように。
けれど、それをそのまま受け取って己の欲望のまま彼女のそばにいるのは、無神経なのではないか。
何より、今回倒れたことだって、原因は俺なのだ。
俺は、彼女に好きと言う資格も、彼女のそばにいる資格も無いんじゃないか。
俺とは離れた方が、彼女のためなんじゃないか。
麻衣美のように。
兄のことを言ってしまった。
兄貴の変化に気付かず、馬鹿みたいにただ兄貴を尊敬していた俺が、彼女に何をしてやれると言うのか。
してあげられるどころか、彼女に合わせる顔もない。
彼女は、兄貴のことは俺自身や、彼女のこととは関係ないと言っていた。
懸命に、自分に言い聞かせるように。
けれど、それをそのまま受け取って己の欲望のまま彼女のそばにいるのは、無神経なのではないか。
何より、今回倒れたことだって、原因は俺なのだ。
俺は、彼女に好きと言う資格も、彼女のそばにいる資格も無いんじゃないか。
俺とは離れた方が、彼女のためなんじゃないか。
麻衣美のように。