君に許しのキスを
第26章―決断―
―side凜
既視感のある光景だった。
学校から出ると、人波に抗うように彼が立っていた。
離れた場所から見ても、彼がいるところだけ、どことなく違って見えた。
それは、彼の纏う雰囲気のせいだろうか。
それとも、あたしの彼への想いからだろうか。
それとも、もっと単純で、女子校の通学路に若い男が一人で佇む姿が、目立つだけだろうか。
どちらにせよ、あたしはその姿に引き寄せられるように、彼の元へ走った。
学校から出ると、人波に抗うように彼が立っていた。
離れた場所から見ても、彼がいるところだけ、どことなく違って見えた。
それは、彼の纏う雰囲気のせいだろうか。
それとも、あたしの彼への想いからだろうか。
それとも、もっと単純で、女子校の通学路に若い男が一人で佇む姿が、目立つだけだろうか。
どちらにせよ、あたしはその姿に引き寄せられるように、彼の元へ走った。