君に許しのキスを
「…あたしも、あなたが、好き…
…愛して…る…。
…あなたの…恋人に、なりたい。
…だけどあたし、…汚い…から…
…普通の子じゃ、ない、から…」

嗚咽混じりの言葉は、彼に伝わっただろうか。
自分ですら、何を言っているのか、わからないけれど。


けれど次の瞬間、身体が、彼の身体に引き寄せられた。

強い彼の声と共に。


「汚くなんかない。綺麗だ。
沓宮凜は、誰より綺麗だ。
少なくとも、俺にとっては。」


彼の声と腕の温かさと力強さに、凍っていた心が溶けていくように、温かくなった。



ああそっか。
あたしの心は、ずっと、凍っていたんだ。
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