君に許しのキスを
凜のお母さんは、また少し困った顔をして、ゆっくりと言葉を選びながら、説明してくれた。


「心の治療、って言うのかしら。
やっぱりまだ、心の傷が残っているみたいだから。
あ、でも、心配しないでちょうだいね?
多分、思い出したってこと自体、回復してるってことだから。」


やっぱり、あの日のことが、原因なんだろうか。

けど、あれからも、何事もなかったように、接してくれていたのに。


それに、倉嶋さんとも付き合いはじめて、
きっとうまくいく、凜はそう言っていたし、あたしもそう思っていたのに。
< 260 / 301 >

この作品をシェア

pagetop