君に許しのキスを
あの日、妃奈ちゃんから、中学の時のことを聞いて、色々と思い出しました。


あの頃あたしは、学校が好きで、演劇部が好きで、妃奈ちゃんが大好きだったこと。


いつも優しい妃奈ちゃんは、あたしの憧れでした。
それは今も変わっていません。


それに比べてあたしは、本当に汚い人間だったんだと思います。


何も知らずに、妃奈ちゃんを何度も傷つけた。

妃奈ちゃん、あたしは妃奈ちゃんを許したり出来ません。

だってあたし自身が、人の罪を許したり出来るような人間じゃないから。


自分だけが被害者のような顔をして、大切な人をたくさん傷つけたから。
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