君に許しのキスを
妃奈ちゃんにあんなことを言わせてしまったのは、他ならぬ、あたし自身なのだから。


もしもそれが妃奈ちゃんの罪だとしても、これまであたしにしてくれたことでとっくにチャラになっています。



妃奈ちゃんは、自分のこと、罪人だと思っているかもしれません。
だけどきっと妃奈ちゃんは、罪も何も知らない善人よりも、善人だと思います。


だからどうか、幸せになることから逃げないで下さい。
幸せになることを怖がらないで下さい。

妃奈ちゃんには、幸せになる資格があります。

それは誰も奪ったり出来ません。
神様にも、もちろんあたしにも。

それに、きっと先生は妃奈ちゃんを幸せにしてくれるから。
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