君に許しのキスを
その翌日の放課後。


あたしはいつものように、凜のクラスへ向かう。

一緒に帰るために、凜を迎えに行く。

それが毎日のあたしの役目。



『登下校は、一人で歩かせたくない。』


凜のご両親からの頼みだし、あたしもそうすることで、罪滅ぼし出来ているように思えた。


歩きながらふと、窓の外へ目をやると、一人の生徒と若い男が話しているのが見えた。



…土屋周、だ。
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