君に許しのキスを
第30章―未来―
「海くん、待ってよお。」
あたしは、ホテルの廊下を5メートルくらい先に行く海くんを小走りで追いかけた。
「かーいーくーん」
呼んでみても、振り返りも、歩くペースを落としたりもしない。
それに少し苛立って、少し足を早めたら、突然、海くんが足を止め振り向いた。
「つーか、中学生なんだから、別に制服で良いじゃん。」
あたしの頭の先からつま先まで見渡しながら、
面倒くさそうに言う。
「やだよ。
せっかくパパとママが用意してくれたんだもん。
それに海くんだって、高校生のくせにタキシードじゃん。」
あたしはちょっと戸惑って、頬を膨らませながら、そう返した。
あたしの淡いブルーのドレスは、たまのおしゃれ着もあってもいいよね、とこの間ママと海くんのお母さんと一緒に選んだ。
今日のパパとママ、それから、海くんのお父さんとお母さんの合同結婚式のために、買ったものだ。
あたしは、ホテルの廊下を5メートルくらい先に行く海くんを小走りで追いかけた。
「かーいーくーん」
呼んでみても、振り返りも、歩くペースを落としたりもしない。
それに少し苛立って、少し足を早めたら、突然、海くんが足を止め振り向いた。
「つーか、中学生なんだから、別に制服で良いじゃん。」
あたしの頭の先からつま先まで見渡しながら、
面倒くさそうに言う。
「やだよ。
せっかくパパとママが用意してくれたんだもん。
それに海くんだって、高校生のくせにタキシードじゃん。」
あたしはちょっと戸惑って、頬を膨らませながら、そう返した。
あたしの淡いブルーのドレスは、たまのおしゃれ着もあってもいいよね、とこの間ママと海くんのお母さんと一緒に選んだ。
今日のパパとママ、それから、海くんのお父さんとお母さんの合同結婚式のために、買ったものだ。