君に許しのキスを
第5章─再会─

─side周

すれ違う生徒達が、
「先生、さようなら。」
といちいちお辞儀つきで、挨拶をしていく。

俺はそれを、あくまでにこやかに、爽やかに、そして適当に、あしらいつつ、ゆっくりと職員室へと足を進める。

ふと、さっきのやり取りを思い返す。

『排除のため』、って俺は何変なこと、大真面目になって言っているんだ。
しかもあんな生徒のクソ多いところで。

しかし、村西の必死に言い返そうとしていた顔。


今思い返しても、笑えるな。

俺は笑いを堪えながら、職員室に入り、自分の机に腰を下ろした。
ふと、机の上のカレンダーに目をやると、洋平の顔が思い出された。
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