君に許しのキスを
学校を出ると、夕方から夜に、変わり始めていた。


少し歩き、学校の最寄り駅の駅ビルのラーメン屋。
小腹を満たすために、よく立ち寄る場所だ。
静かで、込み合っていなくて、居やすい。


注文を済ませると、隣の席に置いた鞄から携帯を取りだし、操作する。



『倉嶋』…
ふと手が止まってしまう。



ボタンを押し、一つカーソルが下がる。
一つ下の『倉嶋洋平』が選ばれている。


ふう、と息を一つつき、真ん中の『選択』を押し、『発信』ボタンを押す。
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