君に許しのキスを
今だって、あの男のことをとても、気にしている。

それをあたしに見せないようにしている。

だけど、バレバレだ。



何でなのか、あたしにはわからない。

曲がりなりにも彼は教師だし、あたしには彼の存在が不気味にしか映らない。


それを何で好きになるのか。

意味がわからない。

気持ち悪くて仕方ない。



ほら今だって、食べ終えて勘定を済ませて、こちらを見もせずに店を出て行く彼を、妃奈ちゃんはぼんやりと、目で追っている。


妃奈ちゃん、気付いているよ。
あいつのことが、好きなんでしょう?


吐き気がする。
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